日々の暮らしと建築と

知り合い0で十和田に移住した株式会社WAAの日々

法人化(株式会社WAA)のご挨拶

始めに
個人事業として2012年より東京で設計活動を始め、2016年に青森県十和田市に移住し建築の設計事務所としての活動を継続しながら、2019年にはギャラリーの運営を始めました。2022年は事業を開始してから節目の10年を迎えました。
そして、活動の幅を広げ、もう少し大きな事業にも挑戦すべく、2023年の7月に個人として活動していた渡部環境設計事務所を改め、株式会社WAA(ダブリューエーエーと読みます)として法人成りしました。
株式会社WAAの事業として、
設計部門:株式会社WAA一級建築士事務所
展示を通したコミュニティ部門:東北のしごと / GALLERY WAA
の二つの軸で活動していきます。
WEBサイトおよびSNS
法人化に伴いWEBサイトもリニューアルしました。

watabe-aa.com

WEB制作は、十和田に移住して公私ともに仲良くさせてもらっている企業のひとつ、株式会社ビーコーズさんにお願いしています。

細かいところまで要望に応えて頂いたり、こちらでは思いつかなかった提案をして頂いたり、二人三脚で進めてようやくリリースの日を迎えました。
PCやタブレットスマホにて見え方も変えているので、是非様々な端末で見てみて下さい。
また法人化に伴い、インスタグラムのアカウントも作りました。
株式会社WAA一級建築士事務所
東北のしごと / GALLERY WAA
ギャラリーはFBも
過去の投稿から最新の情報までさまざま発信していければと思うので、良ければフォローして頂けると嬉しいです。
終わりに
設計や展示を通して「人の暮らし・コミュニティ・地域」を豊かにすることをコンセプトに活動していきますので、是非応援したり陰ながらでも暖かく見守って頂けると嬉しいです。
引き続き、これからもよろしくお願いいたします!

 

街なかアートマルシェ

一般社団法人十和田奥入瀬観光機構さんのご依頼で設計させて頂いたテントブースを用いて2020年の秋に「街なかアートマルシェ」が開催されました。f:id:watabe-aa:20210310101816j:plain
今回のテントブースは十和田市現代美術館に来館された方を街なかまで誘導することを目的に、官庁街通りに最大10基のブースを設置する予定で製作したものになります。f:id:watabe-aa:20210310101856j:plain
ブースには市内在住の作家や農家、飲食関係者や学生と連携し、地域に根差した制作体験や飲食・特産品販売などの機能を持たせ、観光客の十和田市内での滞在時間延長や十和田のまちをより深く知って頂くキッカケに繋げる目的にて運営を予定しています。f:id:watabe-aa:20210310101922j:plain
ブースの骨組みは青森県産材の杉の製材を用い、軽いテント生地を掛けることで、地域性と設置や撤収の簡易性を確保しようと考えました。f:id:watabe-aa:20210310101938j:plain
カタチについては、官庁街という桜と松の並木道に設置されることを念頭に、強い幾何学よりも自然を意識したデザインとすることで景観にも配慮できないかと考えています。そこで、柔らかいテント生地を活用した3次元の自然なカーブを生み出すよう、左右で高さの異なるフレームをデザインしています。f:id:watabe-aa:20210310102000j:plain
左右の高さが異なることで、横に並べた際にも独特なリズムと一体感が生まれ、ブース1基としても、連なった状態としても見ていて楽しいカタチになれればと考えました。f:id:watabe-aa:20210310102019j:plain
先の「街なかアートマルシェ」というイベントは、官庁街ではありませんが、コロナ禍において利用者の感染予防を最優先する形で、官庁街に面する駒っこ広場を会場に開催されました。f:id:watabe-aa:20210310102100j:plain
各回で出店者の方を入れ替えながら、3週に渡って開催されました。f:id:watabe-aa:20210310102133j:plain
まずは地域の方々に楽しんで頂き、コロナが落ち着いてきたころには、官庁街へと展開し多くの観光客の方々にも利用して頂ければと思います。f:id:watabe-aa:20210310102626j:plain

14-54

2017年にオープンしてから3年が経ち、2020年で4年目へと突入しました。

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運営するQUEEN&Co.の努力もあり、多くの十和田市民に認知され親しんでもらえる場へとなっています。今回は、内部の使われ方の変化に合わせ、また多様な目的を持って訪れることができる場へと施設の方向性を明確にするため、新たなブースを追加することになりました。

ライブラリースペース

大きなワンルームの一番奥に、ライブラリースペースを設けるプロジェクトです。

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カフェで用いたラワン合板のブースと、2018年に国際芸術センター青森(ACAC)で行われた展示、「〇動」でのクィン・ヴァントゥさんの作品、「≪ようこそ|桂を夢見て≫ Welcome | Dreaming of Katsura」の一部を用いたL型の棚をキッカケに本に囲まれた落ち着いた空間を計画しています。

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新たなブースには本棚としての役割があります。

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「≪ようこそ|桂を夢見て≫ Welcome | Dreaming of Katsura」の中でベンチとして使われていた杉材を用いて小上がりを設け、靴を脱いでリラックスできるスペースとなっています。親と共に訪れる小さな子供たちが寝ころびながら本を読むこともできるスペースです。

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暖色で落ち着いた雰囲気の中、リラックスして読書を楽しんでもらえればと考え、照明計画も見直しました。

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多様な目的を包み込む場

オープン当初は、この地域独特の奥行き感を顕在化したワンルームとして施設の分かりやすさを目指していましたが、今回の改修により施設内に多様な場を創出できればと考えています。

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道路に面した大きな間口から光の入る明るいカフェスペース、卓球を通してその場にいる人と交流を図れるピンポンスペース、アートなどの専門書に囲まれ落ち着いた雰囲気のライブラリースペース、メインのスペースとは仕切られ作業のできるコワーキングスペースなど、14-54に訪れるための目的が多様化して、様々な要望を包み込むような開かれた場になれればと思います。

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また、奥へ奥へと長いスペースをもつ空間ですが、新たなブースができることで入口からは先が見通せなくなります。「奥に何があるんだろう?」と興味を引き、人を建物の奥へと誘うような効果を期待しています。

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歩くに連れ場の雰囲気が変わっていくことで空間にリズムが生まれ、活き活きとした空間へとなることを期待しています。

Navire:2住戸のアパート

十和田市の中心街で間口8m奥行き17mほどの長方形の敷地に建つ、2つの住戸からなるアパートの計画です。

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建物としては1つの長方形が立ち上がったシンプルなヴォリュームとなっています。1階には車庫と水廻りを設け、2階は2つの住戸が南側の採光を求めてL型の勾玉のような非対称プランとなりました。そこに2つの稜線からなる1枚の勾配屋根をかけました。

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その稜線はプランとは関連の無い、2つの住戸を横断する自由な線です。そのような自由な稜線によって、2階には部屋の形状とは関連の無い天井の起伏ができあがります。

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勾配天井の変化に合わせて、一つの部屋の中でも開放的だったり、ほどよいプライベート感を生んだり、自分のいる位置に応じて空間の起伏が生まれます。平面的に大きいとは言えない部屋が、部屋の形状とは関連の無い屋根の形状とリンクすることで、空間の奥行きを獲得して多様な体験の感じられる室内となります。

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このような空間の起伏が、自分にとって過ごしやすい場所を探しながら、個人のアイデンティティを刺激するような暮らし方に繋がればと考えました。

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部屋名に当てはめられた生活ではなく、空間との対話の中で住む人が過ごし方を感じられる生活環境を創出できればと思います。

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この斜めにかかる二つの稜線は、1枚の屋根でありながら、見る位置によって片流れにも切妻にも見える形容しがたい外観をつくり、街並みにアクセントを加えることを期待しています。f:id:watabe-aa:20200329110452j:plain

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片流れ屋根の家

弘前市にある間口9m奥行き37mほどの東西に延びる長方形敷地に建つ、二世帯住宅の計画です。

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道路に面する東側は、駐車スペース件雪捨てスペースとして建物を10mほどセットバックさせました。

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建物の形状は、青森県内でも積雪量の多いこの地域で雪の処理を念頭に、西の庭へ雪を落とす大きな片流れ屋根としました。

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道路に面して建物の最も高い部分が面していますが、先のセットバックにより道路面への圧迫感を軽減しています。

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リビングは西にある庭に面して開くことで、開放的でありつつプライバシーも確保しています。

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不動産事務所のリノベーショプロジェクト

十和田市にある不動産業を営む事務所のリノベーションプロジェクトです。

事務所はアパートの一角にあります。1階の角部屋で交差点に面しているという立地条件を活かし、店舗部分に新たな外装を付加することで、事務所としての視認性を確保するよう計画しました。

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出入口を交差点に面した位置へと変更し、雨や雪への対策として庇を設け、出入りのしやすいエントランスとしています。

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新たにコの字型に金属の外装を付加することで、過度なサインなどに頼ることなく、遠くからでも事務所であることが分かりやすくなっています。

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内部は、まずデスク配置を見直しました。

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規則正しく机を配置するのではなく、中央に大きなテーブルを用意し思い思いの場で作業ができるような計画です。

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大きなテーブルは動線としての手前と奥の関係を生み、従業員とお客さんとの距離を緩やかに仕切ります。

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カフェに入り、日当たりや気分などに応じて好きな席を選ぶようなイメージで、お客さんにもカジュアルな印象を持ってもらえればと考えました。

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既存の腰窓は断熱タイプの掃き出し窓にサイズアップすることで、光がふんだんに射し込むようになりました。

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仕上げは白色と木を基調として明るくあたたかな印象としています。

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照明器具などの工業製品がなるべく目立ち難くなるよう天井には格子を設け、無塗装の青森ヒバを活用することで木の自然な香りに包まれる空間となっています。

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冬の十和田湖の魅力 飛沫氷(しぶき氷)

十和田湖では、冬になると飛沫氷という綺麗な氷の結晶ができます。

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冬の西風が、十和田湖の水面を波立たせます。氷点下になるとその波しぶきが沿岸の樹木や苔などかに氷結し、何日もかけてとても大きな氷の塊となります。

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自然がつくる氷の彫刻として、とても独特な表情をみせます。

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綺麗な形に巡り合えると、とても嬉しい気持ちになります。

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風向きや気温の関係などで毎年違った形になったり、雪が多いと飛沫氷が隠れて見えなくなったりするなど、飛沫氷を探す間もとても楽しい時間です。

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光の吸収や反射で青く見える氷はとてもきれいで、モノトーンの冬の世界に色を与えてくれます。f:id:watabe-aa:20200219213208j:plain

夕日が沈む時間、日を浴びてオレンジ色に輝く氷も独特の表情です。f:id:watabe-aa:20200219213347j:plain

冬に十和田湖へ行く際はぜひ沿岸にできる飛沫氷にも注目してみて下さい。